ケアの質

介護施設の中では人員配置に差がある施設がある。例えば特別養護老人ホームなどは3:1という人員配置で介護職員の人数を雇用している。有料老人ホームでは2:1と言う施設もある。何が違うかと分かりやすく言うと、3:1より2:1の方が介護職員が多く配置されている為、手厚い環境が作りやすいのだ。

そして、介護の常識も施設によって変わっている。複数の施設を一つのグループが経営している場合、介護に関する基準を設けていればある程度統一されたケアが担保される。しかし、ケアの質にまでこだわっている施設はそれほど多くない。質の部分は現場に任せっきりになっている事が多いのである。

ある施設では禁止されているケアというものがあるが、他の施設ではその禁止されているケアが横行している。むしろそれ以外の方法を知らない事が多い。それは同じグループの組織であっても起こる事なのである。これは知識を深めようとする意識が低いと言う事ではない。人員配置的に人手が足りないから、やりたい事、正しい事が出来ない場合が多い。

その様に聞くと、「介護は人手不足だと聞くし仕方ない」と思ってしまうかもしれないが、それは間違っている。人手の問題は物質的なパワーに直結する為、一纏めにする事は出来ないが、3:1の施設が2:1の施設の様にケアが出来るわけがない。と諦めてはいけないのだ。必ずしも2:1の施設のケアが素晴らしいとは限らない。し、3:1の施設のケアが拙いとは言い切れない。

ケアの質は人員配置基準に左右されることなく、ある程度同じで無ければならないのだ。人手の厚さが違う分、工夫する事を変え大事にするポイントを整理し、職員同士の連携の質を高める事で、十分カバー出来る事も多い。3:1の人員配置でもケアの質が高い施設は正にプロの介護集団であると言えるし、2:1の人員配置でもケアの質が低い施設は、恥ずかしいと思うべきである。

高齢者に差別をする事なく、一定水準以上のケアを提供する事が介護士の大事な仕事であると思う。

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