介護業界の育成で大切な事3選
①手順では無く、意味を教える。
②想いが原動力である事を教える。
③自分で考えて動ける様に教える。
では一つずつ解説していきましょう。
①の手順ではなく意味を教える。とありますが、多くの介護現場では人手不足から「出来るようになってもらわなきゃ困る事、ケアの手順、行う時間等を教えて、独り立ちさせてしまうことが多いと思います。
これは、結果的に独り立ちした後に成長しにくくなる為、自分の首を締めている事になります。最初は大変でもしっかりと育成をせねばなりません。
では意味を教えるとはどう言う事でしょうか?ダメな例をあげると、先輩スタッフがまずお手本として、「○時になったらAさんに△のケアをします。私がやるから見ててね。」とやり方を見せます。そして二日目、「○時になったからAさんの△のケアお願いね」と新人スタッフにやってもらいます。昨日見ているケアなので、一応出来るはずです。そして三日目、新人スタッフは○時になったらAさんに△のケアを行うでしょう。その様子を見て、先輩スタッフは(新人スタッフはAさんの△のケアが出来るようになった)と思う事でしょう。
ただし、これは育成ではなくて作業の手順を教えているだけです。これでケアが出来る様になったと勘違いしてしまう介護スタッフが溢れる事になります。
ケアの方法を見せるだけでは意味を理解することが出来ないので、最初にしっかりと「何故Aさんが○時に△と言うケアを行う必要があるのか?」を教えてあげなければいけません。これが意味を教えると言う事です。意味を知らなければ高齢者の方にケアを行う際に疑問を持たなくなってしまいます。
この、意味をしっかりと伝えておかなければ②③が生きません。
では②の想いが原動力であると言う事の説明をいたします。
これは①の意味を理解した事がとても大切になってきます。高齢者の方に必要なケアを理解した新人スタッフは、高齢者の方に想いを寄せやすくなります。ケアの意味を知ると自然とその人の事を深く知った気分になり、寄り添いたくなるのです。
新人スタッフは現在の高齢者の方に必要なケアの意味を知っている状態ですが、高齢者の方のお身体は日々変化します。お気持ちも精神状態も変化します。
つまり、最初に教わったケアの意味から月日が経つにつれて新しいケアが必要になり、その意味は自分で見つけていかねばなりません。その原動力は、相手の事を想う気持ちです。
③自分で考えて動ける様に教える。と言う事は、②であった様に教わった事が変わっていく事が多々あります。
その時に想いを原動力にし、自ら考えて行動できる様になっていなければ、教わった古いケアを誰にも正される事なく、続けてしまい結果的に大怪我させてしまうこともあります。
つまり育成とは短期間で独り立ちして勝手に育っていく。と言う事ではなくて、長期間かけてしっかりと介護スタッフとして成長させる事です。
最初の導入部分から、どの様に育てて行くのか?と言う事をしっかりと意識する必要があります。